第20話
【入部前の別れ】
ひょんな事から
ガラパゴス携帯で繋がった新たな出会い
有名歌手の
ビビビ婚とまではいきませんが
新たなコンビ仲間から感じた
私と同じ卓球への飢え
一度部活動から離れると
気軽に卓球をする環境がないことに
悶々と過ごしていたであろうことが
容易に想像でき
それに共感した私は
新たに出会ったコンビ仲間と2人だけの
「ガラパゴスコンビ」を結成し
強豪オーラの漂う
卓球部の練習場へ向かいました
さすがに中には入れず
外から見学するしかなかったのですが
やはり強豪校
練習を見ても
今までとの違いは明らか
醸し出される強豪校のオーラに
新たに出会ったコンビ仲間と一緒に
気おくれを醸し出してしまいました
しかし
相手のオーラに負けじと
コンビ仲間と共に発する気おくれと
強豪校のオーラをぶつけ合い
見学を続けた私たち
少なくとも私は
卓球部に入部したい気持ちが
さらに高まったのでした
いつから入部するか?
新たなコンビ仲間と後日
相談することを約束し
「ガラパゴスコンビ」は退散しました
その日の夜
新たに出会ったコンビ仲間から
私のガラパゴス携帯に着信が
まるで恋人から
電話がかかってきたように
ワクワクする気持ちを抑えながら
冷静を装い
通話ボタンを「ピッ」
「俺・・・入部やめとく」
(AIさんに作成頂いた画像)
別れを切り出された男が
「オレっ!今度こそ!」
「ふさわしい男に生まれ変わるから!」
何度も未練たらしく
復縁をせまる男のように
冷静を装うことを忘れ
説得を試みましたが
新たに出会ったコンビ仲間は
本格的に卓球を続けたい気持ちより
ただ楽しく
卓球を続けたかっただけのようで
出会って1日
「ガラパゴスコンビ」は解散
誰からも惜しまれることなく
「普通の男の子に戻ります」と言って
マイクを置く機会にも恵まれることなく
ただただ普通の男の子のまま
1人で卓球部の門を
叩くことになってしまったのでした
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第19話
【初めての交換】
苦しい受験勉強期間を経て
ようやく大学に進学した数十年前の春
バスケットボールへの気持ちを捨て
女性以外では卓球にだけ
心を奪われてきた私にとって
卓球部に入部したいという想いが
あふれ出てくるのは
ごく自然な流れでした
しかし
進学した大学の卓球部は当時
全国からセレクションで生徒を
集めてくる強豪校でした
全国の高校大会で
ブイブイ言わせてきた生徒が集い
いわゆる特待生として
入学してくる超体育会系部活動
滋賀の田舎の学校で
特に指導という指導を受けずに
ぬくぬくと育ってきた私
しかも
バスケットボール部と
女子新体操部の
陽キャスポーツの2トップに
挟まれて育ってきた陰キャな私にとって
完全に場違いな部活動でした
(AIさんに作成頂いた画像)
それでも
卓球という競技を諦めきれず
女性と視線が合えば
時間と同時に体も止まってしまう
そんな珍しい性質と
ドキドキ高鳴る胸の鼓動を抑え
女性に話しかける時と同じく
オドオドした態度で
ただ卓球部だけを見据えて
恐る恐る近づいていきました
「あれっ?」
「君も卓球部 見に来たの?」
後ろから
見知らぬ男に声をかけられる時は
女性から声をかけられない
自身の弱さと運命を恨み
自暴自棄に陥りやすくなりますが
それでも話を聞いてみると
卓球部の入部を目指す同志でした
そんな私たちは意気投合をし
持ち始める人が増えてきた携帯電話
いわゆる「ガラパゴス携帯」で
女性ではなく男性と
初めて電話番号交換をした
淡い大学生の春でした
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第18話
【最後の試合】
不本意な中学生最後の大会から
はや数年
いよいよ
高校生最後の大会を迎えました
盲腸にビクビク怯えながらも
同級生や後輩
素晴らしい仲間に巡り合い
高校生最後の大会
団体戦とダブルスで
滋賀県大会を通過し
近畿大会で幕を閉じました
当時全国でも名を馳せる
近畿圏内の強者が揃う大会
試合前の他校の練習を拝見しても
自分たちとは明らかに違う
THE強豪校っていう雰囲気を
プンプン醸し出す練習に
ここでも完全に
気おくれを完全開放してしまった私
しかし
1つでも多く勝つつもりで
そして
高校最後の大会
もう消化不良なんてしない!
そう意気込んで
気おくれを後輩には見せまいと
「あいつらも、なかなかやるね」って
大物感を後輩だけには醸し出して
最後の大会が始まりました
ダブルス
同級生との部長・副部長コンビ
根回しの影響か?
あまりかみ合うことなく
敗退・・・
団体戦
後輩の前では大物感を醸し出した結果
チームの最終砦
チームの最終兵器枠
最後の最後で回ってくる順番
5番手でエントリーとなりました
他府県の強豪校との団体戦
5番手の私まで
順番が回ってくることなく敗退
最後まで最終兵器として
温存されてしまい
高校生最後の大会
閉幕・・・
(AIさんに作成頂いた画像)
苦しい筋力トレーニング
壁ちゃんとの練習
今までの思い出が
走馬灯のようにかけめぐり
不本意な結果で閉幕
もう消化不良なんてしないなんて
言わないよ絶対!
そうお誓い申した
高校生最後の大会でした
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第17話
【華やかさの影に】
「すみません!」
「すみません!」
あちらこちらで聞こえてくる
卓球部員の「すみません!」
体育館の4分の1を使用して
練習していた卓球部にとって
他の部活動に
ピン球が飛んでいくことが
シバシバ起こっていました
もちろん
卓球部が練習する周りには
他の部活動に極力
ご迷惑をおかけすることがないように
フェンスを立てたり
網目の細かいネットを
張ったりしていましたが
それでも出ていくことが
シバシバ
多くの関係者によるご尽力で
今でこそ卓球は華やかなスポーツに
でも当時はまだ
陰キャなスポーツと言われることも
シバシバ
そんな卓球部が
他の部活動に
ご迷惑をおかけしないための配慮が
裏目に
しかも
モテ期の到来を
心待ちにしていた私に
非常な現実を
突きつけられることに!
網目の細かいネットに
囲まれている卓球部は
周りの部活動からすれば
中が見えづらい状況に
しかも
練習着は黒色のジャージ
そして
卓球部の周りの部活動は
陽キャなスポーツの代表格
バスケットボール部!
女子の新体操部!
(AIさんに作成頂いた画像)
これ以上鉄壁な
陽キャなスポーツによる
ゾーンプレスがあっただろうか?
過去を振り返っても
スポーツ実況をされる
アナウンサーさんが
絶対に発してこなかったであろう
コメントを
思わず発したくなるぐらい
知らず知らず
そして
意図せず
卓球部の陰キャ度合いが
目立っていた現実を突きつけられた私
モテ期がこない原因が
少しばかり解明された私は
高校生活でのモテ期到来の諦めと
少しばかり安堵の気持ちで
華やかさの影に隠れるツラさを
学んだのでした
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第16話
【根回し】
近年、様々な場面で生産性が求められ
ムダを省く取り組みがなされています
その1つに
会議の「根回し禁止」
というようなことを耳にします
根回しとは・・・?
事がスムーズに運ぶように
事前に関係者へ調整を図ることのようで
根回しを禁止にすることが
生産性を上げているかは不明ですが
会議のムダとして
禁止されている会社もあるようです
一方
団体メンバーの
レギュラー漏れを経験し
慣れないシェークラケットに
ヤキモキする
そして
一向にモテ期がこない自分に
不安と苛立ちを覚えていた頃
3年生が引退をされ
新しい部長を決める時がやってきました
候補者は
私ともう1人の同級生
どちらかが部長で
どちらかが副部長
当然2人の間では決め切れず
判断は
後輩に委ねられることになりました
後輩からはそんなに人望もなく
卓球の実力もなかったのに
私は意味もなく根回し
順当にいっても
もう1人の同級生が部長なのに
私は意味もなく根回し
(AIさんに作成頂いた画像)
近年言われている会議のムダ
「根回し」
そんなムダを
もう数十年前から先駆けて
取り組んでいた私
生産性の悪い男ナンバー1として
ENERGY SPORTSでコーチ登録も
検討しましたが
もっと素晴らしいコーチに
より学びの多いレッスンをして頂く方が
世のためと思い
勝手にご辞退申し上げました
そんなムダな根回しのおかげか?
新体制の卓球部
新しい黒色のジャージに
身をまとい
副部長として
過ごすことが決定したのでした
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第15話
【レギュラーを取り戻せ】
卓球技術の上達に反比例して
シェークラケットを
クルクル反転させる技術だけが
上達していく状態に
気分は下降気味
そんな私にさらに
気分が下降する出来事が起こりました
3年生が引退して
2年生と1年生がメインになり
新たな団体戦のレギュラーメンバーが
決められる頃でした
当時私がいた高校での
団体戦のメンバー構成は
シングルス4人
ダブルス1組でした
つまり
マックス6人が
レギュラーになることが出来ました
卓球だけではなく
様々なスポーツにおいても
「アピール」ということが
重要になる局面があります
床に落ちているピン球を
他の部員の誰よりも早く
拾えなかったからなのか?
先に卓球台を使っていて
先輩が後から練習に来られた時に
他の部員の誰よりも早く
満面の笑みで卓球台を
お譲り出来なかったからなのか?
それとも単純に
下手だったからなのか?
団体戦のレギュラーメンバーに
選ばれることなく
私はShock!
しかも
もう1人の同級生が
レギュラーメンバーに選ばれ
私はShock!
筋肉が隆々された方に
「あたたたた」と
連発で殴られた気分でした
(AIさんに作成頂いた画像)
ENERGY SPORTSで
監督や周りに対する
「アピールの仕方」を
習えるかは分かりませんが
効果的な練習方法や
大事な試合前のモチベーションなど
もっと大切なことを学んで頂けます
日々の地道な練習の大切さを
痛感した当時の私も
経験豊富なコーチから
無駄なアピールよりも
大切なことを学べていたのなら
またまた
そんなおセンチなことを
想い出していたのでした
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第14話
【退部ラッシュ】
ラケットを変えて浮かれ気分の私
表面を見てはニヤリ
裏面を見てはニヤリ
異性の目を気にすることなく
堂々とニヤつく
ペンラケットの頃の私は
技量不足により
ラケットをクルクルと
反転させることは出来ませんでしたが
シェークラケットになった私は
クルクルと反転させる技術を身につけ
さらにニヤつく
そんなニヤついた高校卓球生活に
悲しいお別れがやってきました
サッカーやバスケットボールのように
チームで試合をするスポーツもあれば
卓球は最小1人でも試合が可能
しかし
卓球にも団体戦があるため
仲間がいないと
試合が出来ない種目もあります
同級生の仲間は
経験者の私ともう1人の経験者
あとは
未経験者が数名という構成でしたが
1人
2人
ポツポツと仲間が退部
最終残った同級生は
私ともう1人の経験者の
合計2人
これが
未来の次世代
CHAGE&ASKAを決める
最終オーディションなら
もう1人の仲間と一緒に
抱き合って喜びを
分かち合ったと思いますが
このままでは
同級生だけではチームが組めない状況
今からそいつを!
これからそいつを!
(卓球部に)
誘いにいこうかぁーーー!
って歌いたくなるような
状況に陥りました
(AIさんに作成頂いた画像)
昨今の学校部活動でも
生徒数の減少や指導者不足により
休部や廃部が起こっています
競技がやりたくても出来ない
そんな悲しい状況が起こっています
幸いなことに
その後も同級生の仲間と
卓球を続けることが出来ましたが
ひょっとすると
同じような状況に
陥っていたかもしれません
卓球ラケットを変えたぐらいで
ニヤついていた私が非常に恥ずかしい
仲間の退部は
高校卓球生活の悲しい1ページでした
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第13話
【イメチェン】
新生活を迎えると
髪型を変えたり
服装が変わったり
何だか急に
垢抜ける人っていますよね?
周りのクラスメイトに彼女が出来始め
ポツポツとカップルの姿が見え始める頃
私も思いっきり自分を変化させた
出来事がありました
「ペンラケット」から
「シェークラケット」
に変更したことです!
いわゆる
「ニッペン」からの転身でした
当時は卓球選手を見たくても
テレビでは観る機会がほとんどなく
卓球雑誌からの情報がほとんどでした
雑誌に載っている
当時のお強い選手たちが
田舎の卓球部員からすると
訳の分からないスーパープレーを
連発しているページに
目を奪われていたと同時に
あることに気づいてしまいました
何と!
シェークラケットを
持っている選手が多かったのです!
田舎ではペンラケットが主流
しかし
世界的には
シェークラケットが
ブイブイ言わせ始めている
世界的大発見でした!
(AIさんに作成頂いた画像)
今と比べると
当時はまだ全然
ペンの選手も多かったのですが
その中でも私の目を引いたのは
当時の世界卓球で
ブイブイ言わせていた
スウェーデンの選手でした
その選手が握っていたのも
シェークラケットでした
プレースタイルに魅了されたのは
もちろんのこと
あらゆる大会で勝ちまくって
ブイブイ言わせていた実績にも
心を奪われたのか
そのスウェーデンの選手が好きになり
自分もあのスウェーデンの選手のような
超スーパープレーが出来たなら・・・
自分もあのスウェーデンの選手のような
超テクニカルプレーが出来たなら・・・
現実は・・・
技術も体力も知識も好感度もモテ度も
全くもって持ち合わせていないのに
あのスウェーデンの選手のようなことを
女子生徒の前で披露出来たのなら
少しはモテるのかなぁ?
そんな浅はかな理由で変えたラケット
今になって考えると
ラケットと一言で言っても
様々な種類があり
その人の体格や
得意とするプレースタイルなどから
その人に合ったラケットが存在しますが
そのようなアドバイスを下さる人が
周りにはいなかったですし
恐らく今でも
ラケット選びやラバー選びで悩んでいる
卓球関係者は多いと思っています
そんな時に
相談出来る人が身近にいれば・・・
あれっ?
卓球ネタ過ぎて
卓球関係者以外の方に
伝わっていますか???
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第12話
【おかえり!壁ちゃん】
いくら経験者であろうとも
まだまだ年功序列時代
当時の練習場所は
体育館の4分の1のスペース
しかも男女合同
卓球部員に対して
卓球台もスペースも足りていない状況
新1年生に課せられたのは
またしても筋力トレーニングでした
体育館の外に出て
ランニング
戻ってきては
体育館の上のギャラリーで
腹筋
背筋
すべて鍛えれば
キミも
パーフェクトボディ!状態でした(?)
真面目だったけれど
消化は不良だった中学3年生
その後
しばらくの受験勉強期間を経て
ようやく高校に入学出来た私
卓球台で打つということに
飢えに飢えている状態でした
彼女が欲しい!という欲望よりも
飢えていました
(飢えていたハズ)
(きっと、飢えていたハズ)
そんな飢えた私を
慰めてくれたのは
またしても中学時代からの友達
「壁ちゃん」でした
「久しぶりじゃん!何してたのさ?」
「最近どう?彼女できた?」
壁ちゃんとは久しぶりの練習でしたが
すぐに打ち解けることが出来ました
(AIさんに作成頂いた画像)
「筋トレばっかりでさぁ」
「ツライんだよね」
「またしても顧問の先生は」
「卓球未経験でさ」
そんな愚痴をぶつけても
壁ちゃんは
しっかりと受け止めてくれました
壁なのに跳ね返さず
しっかりと受け止めてくれました
そんな頼りになる壁ちゃんと
久しぶりに再会し
慰められながら
またしても筋トレから高校生活は
始まったのでした
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第11話
【フル開放】
「本日からよろしくお願いします!」
新入生
新生活
高校新1年生になった私は
新たな気持ちで卓球部に入部しました
中学3年間
バスケットボールを
頑張ってきた人たちと
レギュラーを争えるか不安で
またもや
仲の良かった
中学時代の卓球部の先輩がいたから
そんなチキンハートの持ち主である私
その実力をフルに開放し
大方の予想に反することなく
卓球部に入部しました
入部してみると・・・
うわっ!
○○中学エースの
○○さんがいる!
うわっ!
○○中学の
あの人と同じチームだ!
中学時代
とても恐れ多くて
話も出来なかった他校の先輩もいて
これから同じ部活動
同じチームで過ごすことに
気おくれもフルに開放した
入部初日でした
同級生は同じ中学の卓球部1人
その他は卓球未経験の仲間たち
あれっ?
苦楽を共にしてきた
中学卓球部の仲間も
一緒に入学したはずなのに
あれっ?
他校の強豪卓球部の子も
一緒に入学したはずなのに
みんな卓球部より
他の華やかな部活動を選択していました
高校でモテなくても
他の部活に入った同級生たちが
先に彼女を作っても
泣かない!!
(AIさんに作成頂いた画像)
何度も何度も自分に言い聞かせて
自分の中に眠る自己暗示力を
フルに開放した
高校1年生の春でした
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